| 今回は坂木司さんの「切れない糸」。 よく有りそうな滑り出しから、ふと気づくと独特の空気の中に居る事が判る。この瞬間が坂木ワールド突入のスイッチだった。温かく、そして庶民派、奢らず、誇らず、展開環境は極めて一般目線。 ただし、作品の中に出てくる人物は、皆鋭い。主人公の和也の取り巻きに居る観点の鋭い人たちが、事件を解決してゆく。もっとも事件と言っても「問題点」と言う部類に入るような事柄で、あくまでもほんわかとした空気感がある。 なんと言ってもこの本の中は、クリーニング屋さん主体で書かれており、知らなかったクリーニングのノウハウが沢山吸収できる。例えば、飲み屋さんのお絞り。お酒を溢した時に何気なく衣服を拭いているが、漂白剤の入ったお絞りでは、色落ちを起こす事があるそうな。あと、クリーニング上がりのビニールは早めに外した方が、いいらしい。もっともっと知識をひけらかしたいが、興味がある方は読まれた方が・・・。 またいい本に出逢えた気がした。 |