返信の作成

タイトル*
コメント*
名前*
メール
ウェブ
画像
(0KBまで)
パスワード 空にすると管理者以外は削除できなくなります。
* は必須入力項目となります。

There構文に現れる定名詞句

2008-06-29 13:12
こんにちは。
卒論でThere構文に現れる定名詞句について調べていたのですが、疑問に思うことがありましたのでどなたか教えてください。

(1) There was the shadow of a big dog in the dark.
この文に見られるように(後置)修飾語を伴っていれば定名詞句も存在文の意味上の主語になれますよね?

ですが
(2) *There's the book of linguistics on the desk.
このように修飾語を伴っていても定名詞句が認められない場合があるのは何故なのでしょうか?


また
(3) There's a very fair possibility of improving the defects of the theory.
(4) There was a violent sound of a band playing rock 'n' roll music.
これらの文において「前置修飾語がつくならば不定冠詞が生ずることができる」という記述を見たのですが、これは「できる」ということですので不定冠詞だけでなく定冠詞でも可なのでしょうか?
前置修飾語と不定冠詞には何か深いつながりがあるのでしょうか?


以上です。回答よろしくお願いします。
ちなみにこれらの例文、そして最後の「」の記述は鈴木英一氏の「存在文の意味上の主語と定性・不定性」(山形大学紀要(人文科学)第8巻第4号)という論文からの引用です。

Re^1: There構文に現れる定名詞句

2008-07-01 00:00
りぃさん、

> (1) There was the shadow of a big dog in the dark.
> この文に見られるように(後置)修飾語を伴っていれば定名詞句も存在文の意味
> 上の主語になれますよね?

その通りと思います。

存在の "there" の構文での主語に "the" が付くケースについては、他の方からの質問 [4756] に対するレス [4761] で、説明したことがありました。

その例文は、主語が後ろから前置詞句で修飾される場合に相当します。


> ですが
> (2) *There's the book of linguistics on the desk.
> このように修飾語を伴っていても定名詞句が認められない場合があるのは何故
> なのでしょうか?

例文 (1) と例文 (2) の違いは、例文 (1) の "the shadow of a big dog" は、読者/聞き手にとって、"a big dog" に属す "shadow" であると、後方の前置詞句によって限定されていると見なすことができると思います。一方、例文 (2) では、"book of linguistics" といっても、いくつも種類がある場合も考えられ、後方の前置詞句によって、本の種類を絞ることはできても、それだけでは、ある特定の本まで限定することはできないと思います。そのため、その他の要因、すなわち、読者/聞き手にとって既出情報であるため、"the" を付けているとなると思います。そうすると、既出情報には、原則として、存在の "there" の構文は用いないとなります。


> また
> (3) There's a very fair possibility of improving the defects of the
> theory.
> (4) There was a violent sound of a band playing rock 'n' roll music.
> これらの文において「前置修飾語がつくならば不定冠詞が生ずることができ
> る」という記述を見たのですが、これは「できる」ということですので不定冠
> 詞だけでなく定冠詞でも可なのでしょうか?
> 前置修飾語と不定冠詞には何か深いつながりがあるのでしょうか?

そのような場合は、名詞 "possibility" や "violent sound" などが、後方の前置詞句によって限定されたと、発言者/書き手が考えれば、定冠詞 "the" が付くことになると思います。それらの名詞が後方の前置詞句などによって限定されたと見なすか、あるいは、十分に限定されいないと見なすかは、文脈などと、発言者/書き手の主観的な要素にもよると、私は思います。

不加算扱いの名詞に形容詞などが前置修飾すると、より具体化されるために、加算扱いとなり、不定冠詞が付くことがありますが、それらの例は、それには当たらないと思います ("there is a possibility ..." や "there is a sound ..." などと、単独でも加算扱いできるため、特に、形容詞などが前置修飾したことによって、加算扱いされたわけではないと思います)。

Re^2: There構文に現れる定名詞句

2008-07-01 15:28
MKさん、回答ありがとうございます。

限定されたとみなすか、限定されていないとみなすかは文脈や主観的要素も関わってくるんですね。

ということは
(1) There's the possibility that John will come in time.
(2) *There's the possibility for John to go abroad.
この違いも同じ理由で説明されるのでしょうか?


また直接関係ないことですが、修飾語がつくと加算扱いとなる不加算扱いの名詞にはどのようなものがあるのでしょうか。
「より具体化される」という意味も含め教えていただきたく思います。

よろしくお願いします。

Re^3: There構文に現れる定名詞句

2008-07-02 00:04
りぃさん、

> ということは
> (1) There's the possibility that John will come in time.
> (2) *There's the possibility for John to go abroad.
> この違いも同じ理由で説明されるのでしょうか?

そうであると思います。

ただ、名詞 "possibility" が that-節で修飾されると、それが聞き手/読者にとって新情報であっても、定冠詞 "the" が付いて、名詞 "possibility" が to-不定詞 ("for [(代)名詞] を伴う場合もある) で修飾されると、"the" が付くと聞き手/読者にとって既知の情報であると、必ずしも言えないと思います。"There is the possibility (for [(代)名詞]) [to-不定詞]" のパターンとなる例文は、"Google" の "Book Search" で出版された本の中で検索して、いくつも見つかります。例えば:

[1] There's the possibility for the two of you to become closer and bond over the idea of a baby coming into the family.
- 出典は ("Google" の "Book Search" の結果) "Dreaming for Two: The Hidden Emotional Life of Expectant Mothers", by Sindy Greenberg, Elyse Kroll, Hillary Grill, Published 2002, Dutton (Penguin Group USA)

[2] There is the possibility for Leslie to say what he feels but he denies his natural
impulses with reasonable insanity.
- 出典は ("Google" の "Book Search" の結果) "Going Sane: An Introduction to Feeling Therapy", by Joseph Truman Hart, Richard Corriere, Jerry Binder, Published 1975, Jason Aronson

結局、名詞 "possibility" が that-節で修飾されても、to-不定詞で修飾されても、その修飾によって具体化されたために、たとえ聞き手/読者にとって新情報であっても、定冠詞 "the" が付くことがあり、その場合は、"there" 構文の主語になることができるということと思います。


> また直接関係ないことですが、修飾語がつくと加算扱いとなる不加算扱いの名
> 詞にはどのようなものがあるのでしょうか。
> 「より具体化される」という意味も含め教えていただきたく思います。

例えば、名詞 "breakfast" は、修飾されない場合は、冠詞なしで用いられる一般的です。例えば、イギリスのコーパス "The British National Corpus" ("BNC") に、以下のような例文があります:

[3] When I'm at home in the country I have breakfast at 9 am; cereal, brown toast and tea; and I'm at my desk by 10 am.
- 出典は "BNC", Today. London: News Group Newspapers Ltd, 1992

[4] He dressed and had breakfast with them at the table.
- 出典は "BNC", Amongst women. McGahern, J. London: Faber & Faber Ltd, 1990

名詞 "breakfast" は、形容詞などで修飾されると、不定冠詞を伴って用いられる一般的です。例えば、"BNC" に、以下のような例文があります:

[5] You see I'm quite good in the summer, if I get up and have a proper breakfast, like cereals and toast
- 出典は "BNC", 6 conversations recorded by `Pauline' (PS0N3) between 21 and 24 February 1992 with 8 interlocutors

[6] They pulled on jeans and jumpers, had a hasty breakfast, tipped their clothes into their cases, then scuttled through the dripping trees to the pea-green Polo.
- 出典は "BNC", Other people's blood. Kippax, Frank. London: Fontana Press, 1993

その他、"lunch"、"supper"、"dinner"、"brunch" など、食事を意味する名詞は、同様と思います。

「より具体化される」とは、形容詞などで修飾されないと、漠然と食事を意味し、形容詞などで修飾されると、どのような食事であるか具体化されるということです。

Re^4: There構文に現れる定名詞句

2008-07-03 14:32
MKさん、どうもありがとうございました!
一概にこうと言えるものではないんですね。

またお世話になるかもしれません。
そのときはよろしくお願いします!!